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ほっぺるランド 新島橋かちどき

【在宅支援】先生たちの思いで日記#5

ほっぺるランド新島橋かちどき

折橋・沙織・えりか

 

皆さんこんにちは。

STAY HOMEな日々。

 

皆さんが大変な状況の中、

私たち保育者だからできる+αな

在宅支援が何かないか

という話があがりました。

その中で持ち上がったのが、

「先生たちの思いで日記」です。

 

日々子どもと共に生活を送る私たち、

保育者だから思いつく話題提供。

 

子どもと一緒に楽しむもよし。

保護者様おひとりでニヤニヤと楽しむもよし。

色々な職員が不定期で更新していきます。

 

さて、保育園と言えば何を思い浮かべますか?

私が真っ先に思いつくのは絵本です。

 

保育園には絵本が当たり前にあります。

ごく自然に子どもと絵本を読む環境でもあります。

 

いつもは子どもに読む保育者ですが、

今回は「読んでもらった」体験を

皆さまにお届けします。

 

という事で、「心に残る思い出の絵本」。

をご紹介します。

 

少しでも、楽しんで頂けるといいのですが。

今日絵本をご紹介するのは、

折橋先生・沙織先生・えりか先生です。

お時間許す限り、どうぞお付き合いください。

 

ネリノが見せてくれた過去といま

0歳児クラス担任の折橋朋花です。

私が紹介する絵本は

「まっくろネリノ」です。

 

「まっくろネリノ」

作:ヘルガ=ガルラー 訳:やがわすみこ

偕成社 1973年7月1日初版

 

ひらがなが読めるようになった

年長の頃に、この絵本と出会いました。

4人のにいさんたちは赤色や黄色と

きれいな色をしているのに、

ネリノだけまっくろ。

まっくろだからという理由で

にいさんたちはネリノと

遊んでくれませんでした。

 

私は早生まれなのですが、

子どもの頃はそのことに

劣等感を感じていました。

周りの友だちの方が身長が高かったり、

運動神経がよかったり。

 

まっくろだからと遊んでもらえず

悲しんでいるネリノと、

子どもながらに

劣等感を感じていた自分を

重ねて絵本を読んでいました。

 

絵本といえば、

カラフルなイメージがあります。

けれど「まっくろネリノ」は比較的暗い色が多く、

子どもの頃の私はその異質な感じに

引き込まれていきました。

 

先日、園で「まっくろネリノ」の絵本を見つけて

子どもの頃感じていたことをふと思い出しました。

大人になってから改めてこの絵本を見ると、

今だから感じられることがあるように思いました。

 

ネリノは自分の見た目をとても気にしていますが、

兄弟の中で一番優しく、思いやりがあり、

勇気があるように感じました。

今の私はそんなネリノのようになりたいなと

憧れを抱きながら見ていました…

 

手渡されるカステラの味

看護師の沙織先生です。

 

私が紹介する絵本は「ぐりとぐら」です。

「ぐりとぐら」

作者:中川李枝子 絵:大村百合子

福音館書店 1963年12月

 

月間「こどものとも」発行

私が幼稚園児だったころ、

母がよく読んでくれた絵本です。

 

わたしの母はいつも優しく、

冷静でしっかりとしたわたしの憧れの人です。

この絵本を読んでいると、

わたしも本の中に入り込んだような

気持ちにさせてくれる

1冊だったことを今でも鮮明に覚えています。

大きなカステラが出来上がり、

みんなで食べるシーン。

このシーンで私の心が踊っていた事を、

何十年経った今でも思い出します。

 

絵本を見ながら、

母と一緒に動物の仲間になりきり

食べる真似をよくしたものです。

そして読み終わったあと、

絵本に出てきたカステラが

とても美味しそうだったのか、

決まって母に

「大きなカステラが食べたい」

とよく頼んでいました。

わたしが何度も求めるので、

母はカステラの代わりに

ホットケーキを焼いてくれました。

小さいころのわたしはそれをカステラだと思い、

口いっぱい頬張って食べていました。

 

わたしの母は日中、仕事をしていたので

なかなか触れ合う時間が

少なかったことを記憶しています。

そのため寝る前の時間はわたしにとって唯一、

母とゆっくり過ごせる大切な時間でした。

その時間でよく読んでくれたこの絵本、

今では我が子が

「大きなカステラが食べたい」

と私を困らせています。

 

母親になり誰かに読んでもらう側から

読んであげる側になった今、

この絵本を読み返すたびに小さい頃の記憶が蘇り、

幸せな気持ちにしてくれるそんな一冊です。

 

 

私だけの特別なお膝

1歳児クラス担任の石山恵里花です。

 

私が紹介する絵本は「おおきなかぶ」です。

 

「おおきなかぶ」

A・トルストイ 再話 / 内田莉莎子

訳 / 佐藤忠良 画

福音館書店

 

これは私が幼稚園時代、

母によく読んでもらっていた本です。

 

私は昔話の絵本が大好きで、

昔話の絵本シリーズは

ほとんど読んでもらっていました。

なぜ好きだったのかはっきりとは覚えていませんが、

読んでもらっているうちに

昔話の面白く不思議な世界に

入り込んでいたからかもしれません。

 

なかでも「おおきなかぶ」は

何回も同じフレーズが出てきて、

「うんとこしょどっこいしょ」

を一緒に声を出していたのを覚えています。

 

断片的な記憶ですが、

この絵本にはこんな思い出があります。

3人兄弟だったため誰が母の近くで読んでもらうか

場所の取り合いでケンカをし、

「ケンカしないの!」

と怒られたものです。

 

けれど読んでもらう時には

さっきまでの表情とはガラッと変わり、

あたたかなまなざしが感じられる

時間をくれました。

 

母の膝に座り、

背中から伝わるぬくもりと優しい声。

身も心も安心して母が紡ぐ

絵本の世界に入り込んでいました。

 

母と一緒に

「うんとこしょどっこいしょ」

と言ったり、

次は何が出てくるのかを

クイズ形式で読んでもらったりと

いろんな楽しみ方で絵本を

読んでもらったのを覚えています。

 

母に当時の様子を聞いてみると、

こんな事を教えてくれました。

好きなページから先に進まなかったり、

繰り返し読んでもらっていたから絵本の内容を覚え

その事を自慢げに語りだしてたよと、

母は嬉しそうに、私に話してくれました。

 

大好きな母のそばにいたい一心で

なかなか絵本のお話しが先に進まなかったり、

たくさん私のお話を聞いてくれるから

ずっと話していたのでしょう(笑)

保育園に就職し、

子どもたちとこの絵本を一緒に読むと

「うんとこしょどっこいしょ」

と同じフレーズを何度も楽しみます。

 

子どもが「これ読んで」という姿を見ると、

母との思い出が蘇りほっこりした気分なります。

母もこんな気持ちで読んでいたのかも知れませんね。

 

絵本の主人公になりきって一緒に読む、

次は何が出てくるかクイズ形式で読む、

いろんな読み方を楽しめる絵本。

きっと読んだことある人がほとんどだと思いますが、

いつもと違った読み方で

読んでみてはいかがでしょうか?

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