

ほっぺるだより
Letter
ほっぺるランド 新島橋かちどき
行きて帰りし物語(お泊り保育)

ほっぺるランド新島橋かちどき
主任 藤得
~ボーイ・ミーツ・ガール~
“少年は少女と出会う。
少年は少女を失う。
そして最後に、少年は少女と再会する。“
新海誠監督がボーイ・ミーツ・ガールを
解説した言葉です。
更にこうも言っていました。
(うろおぼえなので、正確ではないかもしれません)
“境界線を越えむこうの世界へと行き、
境界線を越えて元の場所に帰ってくる。
帰ってくるとき、少年は成長している”
これが、行きて帰りし物語。
人は常にどこかへと行き、
帰ってくる。
ボーイ・ミーツ・ガールは、
全ての人の物語でもあるのだと思います。
~はじめてのお泊り保育~
つい先日、ほっぺるランド新島橋かちどき
はじめてのお泊り保育がありました。
さくら組2人の、
親類ではない人と過ごす、
初めての時間。
夕飯であるカレー食材の買い出し
クッキング
工作(万華鏡作り)
夜の冒険
夜のおはなし会
ドキドキワクワクの
お泊り保育は無事に終わりました。
~とめどなく溢れでる言葉~
私は緊張すると早口言葉になり、
息継ぎをしないくらいに
しゃべり倒す癖があります。
この癖は大人になればなるほど
進行する進行性緊張早口言葉あがり症。
(なんじゃそりゃ)
初めて親元から離れて1日を過ごす。
それがお泊り保育。
子どもたちは気持ちが盛り上がり、
いつも以上におしゃべりをする。
緊張しているのかなー、と、
思う。
そりゃ、そうですよね。
怖い、や。
不安、や。
緊張、や。
嬉しい、や。
楽しい、や。
ワクワク、や。
色んな気持ちがあるのだと思います。
今、どの気持ちが強く脈打っているのかな?
とめどなく言葉が溢れでる二人。
~”お姉さん”だから~
5歳クラスは2人。
なので、普段は4歳クラスと合同で
保育をしています。
4歳と過ごす5歳の2人。
年齢に関係なく共に遊びを
楽しんでいます。
でも、時々、“頑張ってるのかな”と
感じることもある。
“お姉さんだから”
と。
お姉さんだからできることがある。
お姉さんだから楽しめることがある。
お姉さんだから お姉さんだから。
歯ブラシをしている時でした。
先に歯ブラシを終えた子が、
「~とっておくね!!」と
使いたいブロックを取り置きしようとする。
それを聞いたもう一人は、
「今日は2人だからたくさん使えるね!!」と、
嬉しそうにする。
“今日は”
そっか、そうだよな。
嬉しそうにする二人の今日の笑顔には、
“お姉さん”
がなかった。
~でも、知ってる~
買い出し
クッキング
工作
夜の冒険
お姉さんだからできる
ことだと知っている。
保育者の話をよく聞いて、
やり方と約束を守って、
しっかりとやる。
「楽しい」と「真剣」が
一緒になった表情。
お泊り保育修了式で
「遊びの時間は一度おしまい。
最後なのでしっかりしましょう」
と伝えると、
一瞬で気持ちを切り替える。
お姉さんでいなくてもいい時間
を楽しみながら、
お姉さんだから楽しめる時間を
しっかりと味わう。
~行きて帰りし物語~
2人にとって大きな、
“初めて”のお泊り保育。
母親と一緒に保育園に来て、
親から離れた所で過ごし、
親と一緒に帰宅する。
2人はお泊り保育という、
“少し離れて過ごす”
ことを通じて成長する。
“少し”なのに“たくさん”。
少しの中にギュッと詰まった
たくさんの想いを、
子どもはお泊り保育を通じて感じる。
お泊り保育という、
行きて帰りし物語を
子どもは味わう。

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