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ほっぺるだより

Letter

ほっぺるランド 草加谷塚

「子どもの最善の利益」追求中!

ほっぺるランド 草加谷塚 園長の奈良です。
今回は、子ども達それぞれの能力と個性を活かすために
私達保育士が追求している『子どもの最善の利益』についてお話します。

『子どもの最善の利益』というと難しい印象ですが、
言い換えると『子どもにとって一番良い事』です。

園内掲示の『子どもの最善の利益』リーフレット

園内掲示の『子どもの最善の利益』リーフレット

この『最善の利益』を追及する印象的な出来事があったのでお伝えします。
3歳児クラスのお散歩の支度中、Aさんが友達に嫌な事をした時、
クラスの数名からAさんへの不満や苦情が担任保育士に押し寄せたことがありました。

ここで一般的な対応であれば、裁判官のように仲裁に入ってAさんを叱ってしまいそうなところですが、
その保育士は、3歳児クラスのみんなが発言できる場を設け、さりげなく話し合いを促し、サポートしました。

こんなやりとりだったそうです。

保育士「じゃあ、みんなは嫌な事をするからAさんのことが嫌なのね」(意図的に)
Aさん「やーだ」「もうしない」(しょんぼり)
Bさん「私はAさん好きだよ~ 嫌な事されるのは嫌だけどAさんのことは大好き!だって優しいから」
保育士「嫌な事されるのが嫌なだけで、BさんはAさんのことが大好きなんだね」
「みんなはどうかな?」

しばらく間を空け3歳児クラスのみんながこの時出した結論は、

『Aさんの「嫌な事をする」という行動は不満。
 でも、
 Aさんの事はみんな好きだから、「早くみんなでお散歩に行こう!」』

でした。
クラスが共感し合いそれぞれの心が動く瞬間でした。

良くない行いに対して、嫌な気持ちであることを伝えながら、
それを行う人の人格は否定しない
という
大人でも難しい答えを導き出してくれました。

このように私たち保育士は、
多数決で決めるのではなく、集団で答えを導き出す力を育んでいます。
何よりもこの場面では、心の教育ができたのではないかと思います。

その時々の子ども達にとって、何が最善なのか?正解は私達にも分りません。
だからこそ、私達はこれからもそれを追及していきたいと思います。

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