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ほっぺるだより

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ほっぺるランド 新島橋かちどき

【在宅支援】先生たちの思いで日記#4

ほっぺるランド新島橋かちどき

小山夏樹・ゆい・もえ

 

皆さんこんにちは。

STAY HOMEな日々。

 

皆さんが大変な状況の中、

私たち保育者だからできる+αな

在宅支援が何かないか

という話があがりました。

 

その中で持ち上がったのが、

「先生たちの思いで日記」です。

 

日々子どもと共に生活を送る私たち、

保育者だから思いつく話題提供。

 

子どもと一緒に楽しむもよし。

保護者様おひとりでニヤニヤと楽しむもよし。

色々な職員が不定期で更新していきます。

 

さて、保育園と言えば何を思い浮かべますか?

私が真っ先に思いつくのは絵本です。

保育園には絵本が当たり前にあります。

 

ごく自然に子どもと絵本を読む環境でもあります。

いつもは子どもに読む保育者ですが、

今回は「読んでもらった」体験を

皆さまにお届けします。

 

という事で、「心に残る思い出の絵本」。

をご紹介します。

 

少しでも、楽しんで頂けるといいのですが。

 

今日絵本をご紹介するのは、

小山夏樹先生・ゆい先生・もえ先生です。

 

お時間許す限り、どうぞお付き合いください。

 

 

心に灯るおはなしのロウソク

3歳クラス担任の小山夏樹です。

 

私がご紹介する絵本は

「にじいろのさかな」です。

 

「にじいろのさかな」

作・絵 マーカス・フィスター

訳 谷川俊太郎

講談社 1995年11月

 

私が小学校1年生の頃、図書室の先生が読んでくれた絵本です。

先生はいつも優しく、気さくに話しかけて下さる

笑顔が柔らかい温かい先生でした。

 

「にじいろのさかな」は表紙がとても綺麗で、

キラキラ輝いていたのですごく惹かれました。

 

ワクワクした気持ちで見ていましたが、

読み進めると

「明るいお話ではないのかもしれない?」

と感じました。

 

綺麗な絵に惹かれた絵本でしたが、

段々とストーリーが気になりジッと

見るようになりました。

最後はみんなが笑顔になるラストで

ほっとした自分がいたように思います。

 

 

私の小学校では、

絵本を読む時にろうそくの歌を歌っていました。

 

「ろうそくぱっ。

もひとつぱっ。

これから始まるお話会。」

 

絵本紹介を書くためにこの絵本のことを思い出すと、

忘れていた歌も出てきました。

 

先生がろうそくの歌を口ずさむと

「あっ!始まるっ!!」

とワクワクや楽しみが芽生え、

絵本に気持ちがむきました。

 

こうしてあの時の事を思い出すと、

先生が絵本に集中出来る環境を

作っていたのだなと。

 

集中していたからこそ話が入り、

絵本の世界に

引き込まれていったのだと思います。

 

家ではあまり絵本を読んでいなかった私にとって、

先生の読み聞かせがきっかけで

図書室にいってよく絵本を借りるようになりました。

いま昔の事を思い出すと、

年齢と共に絵本の楽しみ方が

変わったのだなと感じました。

 

幼い時は絵を見るだけで楽しい。

そこから音や声、物語に興味が向くようになる。

先生が読むことで新しい絵本の楽しみ方が増え、

読みたいという気持ちが

より強くなったように思います。

 

読んでもらうという体験が、

子どもにとって何かの

きっかけになることもあるのだと感じました。

 

保育者になり、

絵本と関わることがより一層増えました。

いま「にじいろのさかな」を読み返すと、

子どもの時と大人の時では

感じるものが違うことに気づきます。

 

保育の中で絵本を読み、

子ども達の反応を見て

人によってそれぞれ感じ方が

違うのだなとも思いました。

 

一冊の絵本でも、人の気持ちに届くものはそれぞれ。

「私だから感じるもの」を大切にできる絵本は、

本当に素敵だなと思います。

 

一緒だからが生む奇跡

1歳児クラス担任 柳 由惟

 

私がご紹介する絵本は 「あらしのよるに 」です。

 

作者:きむらゆういち 絵:あべ弘士

発行日:2000年6月 講談社

 

私が小学生低学年の時

お話しクラブがあり、

そこでこの本のことを知りました。

 

シリーズ物で、

だんだんと狼とヤギが友情を

深めていくお話しです。

 

普通では一緒に過ごすことのない2人が、

あらしのよるに偶然出会い友達になる。

色々な障害を乗り越えながら

仲を深めていく姿を見て、

最後はどうなるんだろうと近くの

図書館に借りに行った思い出があります。

 

母親・姉と一緒に読んでいたのですが、

幼いながらに2人の強い友情や絆を感じました。

 

最終巻は私に強い印象を与えました。

狩りをする側とされる側。

出会って友達になったのが、

たまたま自分の天敵だった。

それでも周りに隠れながら2人は、

とても暖かい友情の中で過ごす。

 

交じりあうことのない2人なのに、

最後には友達のために自分を犠牲にする。

こんなにも懸命に互いを思いやっているのに、

引き離されてしまうという事が悲しくて・・・。

 

母親、姉と共に涙しました。

あの時の気持ちは、

今でも思い出せるくらい私の中に残っています。

 

友達のためにここまでのことができるなんて、

悲しいながらも感動しました。

 

母親・姉と同じページで涙を流したことで、

同じ思いを共有・共感していたと感じ

嬉しく思いました。

 

今では私自身もこの絵本のように、

自分より大切にしたいと思える友達ができました。

どんな辛いことや大きな壁があっても、

心の許せる友達がいれば困難に

立ち向かっていけると感じさせる

絵本なのではないかと思っています。

 

おばあちゃんのまなざし

保育補助として入らせて頂いている吉田萌です。

 

私がご紹介する絵本は

「はらぺこあおむし」です。

 

「はらぺこあおむし」

作:エリック・カール 訳:もりひさし

偕成社 1976年5月初版

 

私が保育園の頃から小学校低学年まで、

何度も読んでいた絵本です。

私の家には絵本が2,3冊しかありませんでした。

けれど本が好きだったので、

小学生の頃は図書館から沢山かりて読んでいました。

 

そんな私のお気に入りは、

おばあちゃんと読む「はらぺこあおむし」です。

 

私がまだ文字を読めない頃、

祖母がこの絵本を何回も読んでくれました。

私が「はらぺこあおむし」を好きだと

分かってくれていたのだと思います。

 

大好きなおばあちゃん。

小さい頃から祖母にお世話になっていた、

優しく厳しいお母さんのような人。

おばあちゃんと読む「はらぺこあおむし」は、

今思うと特別な時間でした。

 

文字が読めない時の私は、

小さな穴の仕掛けに指を入れるのが大好きでした。

だから気づけばそのページだけボロボロに。

 

文字が読めるようになってからは、

たくさんの美味しい食べ物がでてきて、

「ケーキが食べたいよ」

「アイスクリーム食べたいよ」

と祖母に頼んでいました。

 

また、最後の蝶々になるページは一番のお気に入り。

今まで見たことのないカラフルな蝶々が

目の前に現れると、

いつか会いたいなと思ったものです。

 

私の行動や意見などを優しく見守り尊重してくれる、

母親のようなおばあちゃん。

私を育んでくれた、大切な存在です。

 

そんな大切な人が読んでくれたから、

楽しかったのかもしれません。

小さかったあおむしが

沢山のものを食べ、大きくなる。

 

その姿に私は安心感を受けとっていました。

最後には、

カラフルな蝶々に成長する。

変化する。

 

みのむしから蝶に変身をするのは当たり前のこと。

けれど、当時の私にとっては

魔法のように写ったのです。

いつか、私も変身をしたいと夢を抱きました。

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