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ほっぺるだより

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ほっぺるランド 新島橋かちどき

【在宅支援】先生たちの思いで日記#2

ほっぺるランド新島橋かちどき

安達・石垣・西目

 

皆さんこんにちは。

STAY HOMEな日々。

皆さんが大変な状況の中、

私たち保育者だからできる+αな

在宅支援が何かないか

という話があがりました。

 

その中で持ち上がったのが、

「先生たちの思いで日記」です。

 

日々子どもと共に生活を送る私たち、

保育者だから思いつく話題提供。

 

子どもと一緒に楽しむもよし。

保護者様おひとりでニヤニヤと楽しむもよし。

 

色々な職員が不定期で更新していきます。

 

さて、保育園と言えば何を思い浮かべますか?

私が真っ先に思いつくのは絵本です。

保育園には絵本が当たり前にあります。

ごく自然に子どもと絵本を読む環境でもあります。

 

いつもは子どもに読む保育者ですが、

今回は「読んでもらった」体験を

皆さまにお届けします。

 

という事で、「心に残る思い出の絵本」。

をご紹介します。

 

少しでも、楽しんで頂けるといいのですが。

 

今日絵本をご紹介するのは、

安達先生・石垣先生・西目先生です。

お時間許す限り、どうぞお付き合いください。

 

私の師匠は“まくらのせんにん”!

4歳児クラス担任 安達美香です。

私がご紹介させていただく絵本は

 

『まくらのせんにん~そこのあなたの巻~』です。

著者 かがくい ひろし

校正出版社

2010年初版

 

私が地元(新潟)で保育士をしている頃、

姪っ子が保育園の年中児だった時の話しです。

姪っ子は絵本がとても好きで、

毎週のように図書館に行き

絵本を借りていました。

 

その中に

『まくらのせんにん〜そこのあなたの巻〜』

がありました。

 

内容を知っている姪っ子は

「ねえねえ~見て~♪」と嬉しそうに持ってきて、

目をキラキラさせながら私に読んでくれました。

そして得意げに

『ここ、トントンってたたいてみて』と言ったり、

『ふんが~ ふんぎ~』等の言葉の表現を楽しみ

笑いながら読んでいました。

 

絵本の読み聞かせと言えば、

読み手と聞き手に分かれます。

 

ところがこの絵本は

『この ほんを よんでいる、

そこのあなた(読み手)』と、

聞き手(見ている人)を誘います。

読み手と見ている人が、

一緒に読むことを楽しむ絵本なのです。

 

出てくる動物たちを読み手と見ている人が

一緒に助けていくお話で、声を出して笑いながら

見たのを覚えています。

 

当時働いていた保育園の子ども達に読んでみると、

とても盛り上がり何度も何度も

リクエストをもらいました。

子ども達は積極的に手を挙げて、

絵本を叩いて一緒に楽しんでくれました。

 

また異年齢合同で読んだ時は、

大きいクラスの子を真似て

小さいクラスの子もやってみたいと

手を挙げるようにもなりました。

こうして小さいクラスの子ども達にも浸透していき、

『今日も読んで!』

と言ってくれるようになったのです。

 

枕→まくらのせんにん

かけ布団→かけさん

敷布団→しきさん

 

と呼び(水戸黄門のよう 笑) 、

寝具が主人公になっちゃうところにも

惹かれました (笑) 。

 

また普段内気でなかなか自分から手を

挙げることができない子も、

目にやってみたいオーラが

満ちていることに気付きました。

 

最初はこちらから呼び、

前に出てきてもらい体験してもらいます。

読みを重ねるうちに

少しずつ気持ちの変化が起こり、

自ら手を挙げられるようになった子がいました。

そのことがきっかけで自信に繋がり、

積極的に自分の感じている事や

やりたい事を相手に伝えられる子に成長しました。

 

1冊の絵本がこんなにも

成長させてくれるものなのかと、

私はその子から教えてもらい感動しました。

私のおススメの1冊

『まくらのせんにん~そこのあなたの巻~』

是非!お子さんと一緒に楽しんでみてください♪

お子さんの最高の笑顔が見られます

子ども時代が教えてくれた絵本の魅力

2歳クラスすみれぐみ担任の石垣新です。

 

私がご紹介する絵本は

「ねないこだれだ」です。

 

「ねないこだれだ」

作・絵:せなけいこ

福音館書店

1969年11月初版

 

私が小学1年生の時、

耳鼻科に絵本が置いてありました。

その絵本の表紙がおばけで

興味本位で見たら

当時6歳の私にとって恐怖を感じた絵本でした。

遅くまで起きていたら

自分もおばけになってしまうのではないかと

感じたからです。

 

時計が9時を指して鳴ります。

ボン、ボン、ボン…。
「こんな じかんに おきてるのは だれだ?」
ふくろうにみみずく、

どらねこ、

それともどろぼう?
いえ、いえ、

夜中に起きているのは……おばけ!
そう、おばけの時間です。

 

おばけは遅くまで起きている子の所にやってきます。

最後に女の子が連れていかれてしまいました。

はたして、どこに行ってしまったのでしょうか、、、

大人になり子どもに読んであげる立場になることで、

この絵本は子どもに伝えたいことが

あるのだと感じました。

 

きっとこの絵本は遅くまで起きていないで

早く寝なさいという意味が

込められているのではないでしょうか。

私も自分の子どもが夜遅くまで

起きていたら、読むなと想像しました。

その読みには、

「早く寝ないとおばけになっちゃうよ!?」

という気持ちが込められていたように思います。

 

ところが作者の「せなけいこ」さんは、

「ねないこだれだ」について

こんなことを仰っています。

 

「私の本にでてくるおばけは、

子どもを脅すおばけではないんです。

ましてや誰かが死んで、

化けて出てくるのでもない。

おばけは、

おばけの世界で自由気ままに生きている。

そして、子どもはそのことを知っているのです。

だからちょっぴり怖くても、

やっぱりおばけが好きで仕方ないんです。」

 

せなけいこさんは自分の娘に読むと、

「いいよ、とんでいくよ」

と言っていたそうです。

 

おばけ=怖いではなく、

おばけ=飛ぶ=風船

みたいで楽しい。

 

私はせなけいこさんのこの想いを知り、

ハッとしました。

 

「おばけになっちゃうよ!」

ではなく、

「おばけって楽しいのかもしれないね」

を読みで伝えると、

怖いイメージが変わるかもしれないと感じました。

 

読んだことがある人も、

ぜひもう一度読んでみて下さい。

きっとおばけの絵本なのに

明るい気持ちで読めるのではないでしょうか。

 

母と絵本が作るたまごやき

0歳クラス担任の西目優子です。

 

私は卵焼きが大好きです。

高校生の頃から前職まで、

お昼ご飯はお弁当を作っていました。

そのお弁当に毎回必ず入れるのが、

卵焼きでした。

 

甘くても、

しょっぱくても、

具が入っていても、

私の口に入った時に広がる

「美味しい!!」

は決して変わることがないのです。

 

私は、とにかく卵焼きが大好きなのです。

今回、思い出の絵本を紹介するにあたり

幼い頃を振り返り、

ふと思い出したのがこの卵焼きでした。

 

「おしゃべりなたまごやき」

作:寺村輝夫 絵:長新太

出版社:福音館書店

発行日:1959年発行 こどものとも35号

 

この絵本と出会ったのは、

幼稚園のころに毎月もらっていた

月刊絵本だったと思います。

 

とぼけた王様と家来たちのやり取りや

嘘がばれてしまった王様の様子なども面白くて

好きだったのですが、

中でも一番私の目を引いたのが

この卵焼きだったのです。

 

この絵本を家に持ち帰ると

母にこの卵焼きを作ってほしいとせがみました。

読むたびにせがみ、

毎回作ってもらっていて

そんなに好きなら…と

毎日のお弁当にも入れてくれました。

 

今思い返すと、絵本の卵焼きが好きというよりは

「お母さんと一緒に読んで、作ってもらう卵焼き」

が好きだったのかもしれません。

 

絵本を読んでもらうのは、

夜眠る前でした。

数ページ読むと「続きはまた明日」と

おしまいになってしまうのが嫌で、

「あと1ページ、あと少しだけ!」と

お願いしては結局最後まで読んでくれるのが

とっても嬉しかったのを覚えています。

 

そして、

「この卵焼きはどんな味かなあ…

ふわふわかなあ…」と

思っているうちに

いつの間にか眠ってしまうのです。

ここまで書いておいて、

もしかしたらこちらかも…という気もしています。

 

「ぞうのたまごのたまごやき」

作:寺村輝夫 絵:山中春雄

出版社:福音館書店

発行日:1956年発行 こどものとも

 

「おしゃべりなたまごやき」と姉妹作品で、

こちらにも卵焼きが出てくるのです。

幼い頃の記憶なのでどちらか定かではないのですが…

機会があったら両方とも読んでみてください!

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