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ほっぺるだより

Letter

ほっぺるランド 新島橋かちどき

“ちょっとだけ”が積み重なり成長する子ども時代(卒園式)

0,子ども自身が育んだものを手渡す

3月7日は、卒園式。

ほっぺるランド新島橋かちどきの、

5歳さくら組は2人。

卒園児は2人。

 

年間を通した5歳クラスのテーマは

「2人しかいないから」ではなく、

「2人だから」でした。

運動会・生活発表会・様々な所に

お出かけをするさくらtime、

色々なことをしてきました。

 

まるで今まで培ってきたものをタンポポの

綿で優しく包みこみ、

子どもがそれを保育者と保護者様に力強く手渡す。

卒園式に参加していて、そんな事を強く感じました。

 

1,進むから辿った道が見えてくる

卒園式が始まるまで、いつものように

楽しそうに遊ぶ2人。

今日が卒園式だという事を

忘れてしまいそうになるほど、

普段と同じくおしゃべりを楽しんでいました。

そんな2人を前に、保育者や保護者様の

緊張が増していきます。

 

2人にもうすぐ式が始まることを伝えると、

頭の天辺からつま先まで真っすぐな芯が

通っているような姿勢になり、

頬と目尻が締まり凛々しい表情になりました。

 

式の中で自分が何をするのかを理解し、

意識を常に張り程よい緊張感を

心身に帯びているようです。

日々の保育や運動会・生活発表会という行事で

感じる成長とはまた異なる、

独特で・特別で・尊厳を感じる

「成長の証」がそこにありました。

 

当たり前の日常と特別な時間を

さり気なく自由に行き来できる、

卒園児の逞しさというものを目の当たりにしました。

「卒園式は特別なもの」という概念に縛られず、

その瞬間瞬間を生き抜く力強さに満ちているのです。

 

そんな2人を見ていてつくづく思いました。

子どもはいつも前を見ているなと。

「前を向かなければ」ではなく、

自然と前を見ているのです。

 

前へ前へと歩み、

子どもが歩いた跡には、

今まで辿った中で手にした

成長の欠片がちりばめられています。

歩くたびに研磨がかけられ、

より輝きが強まる。

2人の足跡に目をこらすと、

今まで辿ってきた道が見えてくるようでした。

 

2、“ちょっとだけ”が集まる場所

卒園式終了後、クラスで集まり挨拶。

そこで「ちょっとだけ」という絵本を読みました。

作:瀧村有子 絵:鈴木永子

福音館書店 2007年11月初版

 

この絵本の主人公である女の子に、

妹が生まれます。

母親は赤ちゃんにかかりっきりになり、

以前は母親がしてくれていた事を自分で

やるようになります。

 

例えば、牛乳をコップに注ぐ、

パジャマのボタンをとめる、

髪ゴムで髪を結ぶ。

 

いつもお母さんがやってくれるのを見ていたので、

「ちょっとだけ」成功しました。

やってもらっていた事を自分でやってみて、

「ちょっとだけ」できた事を女の子は喜ぶのです。

 

この絵本に描かれている

「ちょっとできるようになる」は、

さくら組2人の物語でもあります。

 

日々過ごす保育園での生活・お誕生日会や季節の行事

などを通して、「ちょっとだけ」を

積み重ね続けてきました。

そして、卒園式という日を迎えました。

 

3、“あなたの夢は叶いましたか?“

卒園式終了後、園の隣にある公園から

バルーンメッセージを空に飛ばしました。

メッセージのお題は、

「子どもの頃のあなたの夢は叶いましたか?」です。

 

昔、子どもだった職員が子ども時代を

思い出し書くメッセージ。

メッセージカードの裏には

保育園の住所と電話番号が書かれています。

風船がどこかに降り立ち、

カードを手にした人が

返事をくれるかもしれない

という淡い期待を“ちょっとだけ”抱きながら

持っている紐を放します。

 

タンポポの綿が舞い上がるように、

ユウラリと飛んでいきます。

 

きっと卒園式という日に、

子どもは新しい夢を

羽ばたかせたのではないでしょうか。

将来への期待や楽しみを胸に抱きながら。

 

そうそう大事なことを。

今年の卒園式のコサージュは、

水引きアーティストをされている

保護者様に特別に作って頂きました。

5歳クラスはずっと2人きり。

だから、2人だからできることでお祝いをしました。

水引きコサージュを作ってくださり、

本当に有難いです。

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