ほっぺるだより
Letter
ほっぺるランド 新島橋かちどき
絵本を子どもと読みあう
主任 藤得
<絵本読み聞かせの取材を受ける>
“幼稚園・保育園・子ども園で働く先生応援マガジン
brillo”という、
フリーペーパーから取材の申し込みを頂きました。
取材のテーマは、絵本の読み聞かせ。
取材の申し込みを頂き、おはなし会をセッティング。
普段系列保育園から出張おはなし会をしてほしい
というお声をもらい、毎月4園に絵本を
読みに行っています。
でもよく考えると、私が勤務している保育園で
日中のおはなし会を
実施したことがないことにハタと気づきました。
<絵本「たぷの里」>
0歳クラスで「たぷの里」という絵本を
読んでいた時のことです。
この絵本は0歳から楽しめるユニーク絵本で、
「たぷ」という言葉が多く登場します。
私が「たぷ」と口にすると、
ある男の子がニコッと笑顔になりました。
「ああ、この子はこの言葉が好きなんだ」と思い、
絵本をその子の前に持っていき
もう一度「たぷ」と読む。
すると再び笑顔になり、今度は絵本を
触ろうと手を伸ばしました。
男の子が小さな指でソッと触る。
なんとも愛しい光景です。
このやりとり以降、
その子は何を読んでも喜びました。
<絵本を“一緒に”読む>
絵本はページに書かれたテキストを読むことだけが、
読みではありません。
乳児絵本をイメージして頂くと
分かりやすいのですが、
絵本を通した関わりあいも「読みの一部」です。
例えば、赤ちゃんが絵本に描かれた車を指しながら
「ブーブー」と口にする。
それを目にした親が
「ブーブーだねー。ブー走ってますよー」と、
子どもに語りかける。
子どもは絵本と親を交互に見て、笑顔になる。
これは、絵本を介した関わりあいです。
そして、絵本があるから
生まれる関わりあい。
絵本をはさんで子どもと話をする、
これは絵本の読みの一部です。
絵本は子ども“に”読んであげる、
ものではありません。
子ども“と”一緒に読むから楽しい。
<子どもが教えてくれること>
私は絵本専門士というものに認定されています。
絵本の資格や認定制度の中では、
かなりハードな部類に入るものです。
有難いことに認定されてからというもの、
様々な場所で絵本の活動をさせて頂く
機会に恵まれております。
イベントでの読み・保育を学ぶ学生や親への
絵本講座の講師など、
県外からもお声がけを頂きます。
大きなイベントのステージで
プロジェクターに絵本を映しながら読んでも、
学生や親に絵本の講座をしていても、
その基礎となるものは「子どもとの読み」です。
今回の取材をきっかけにおはなし会をして、
信頼関係が築かれている・普段接している子と
絵本を読むことが、どれだけ豊かなものなのかを
教えてもらいました。
子どもの表情が、子どもが発する言葉が、
子どもの行動が。
絵本の面白さや、大切さ、豊かさ、読み方、
何を読むのかは、全て子どもが教えてくれるのだなと
改めて感じました。